名称

mrtg-rrd - RRDtoolの使い方


概要

MRTGを使っていると、そのうちいくつかの制限が気になるかもしれません。 そのほとんどはパフォーマンスやグラフの柔軟性といったものでしょう。 これらはまさにRRDtoolが得意とするところなのです。 RRDtoolについてもっと勉強するには以下のWebサイトを参照してください。

 http://people.ee.ethz.ch/~oetiker/webtools/rrdtool


RRDtoolの組み込み

MRTGをRRDtoolと一緒に使うには、rateupをRRDtoolのperlモジュール RRDs.pmで置き換え、MRTGのRRDtoolサポートを有効にするために 次の行を加えます。

 LogFormat: rrdtool

MRTGは、RRDtoolのperlモジュールRRDs.pmと実行ファイルであるrrdtool の両方にアクセスする必要があります。

これら2つがperlが見つけられる場所にインストールされていない場合、 以下のパラメータを使って適切なディレクトリを教えてあげてください。

rrdtoolの実行ファイルの場所は

 PathAdd: /usr/local/rrdtool/bin/

もしくは

 PathAdd: c:\rrdtool\bin

で指定します。

perlモジュールの場所は

 LibAdd: /usr/local/rrdtool/lib/perl/

もしくは

 LibAdd: c:\rrdtool\bin\lib\perl

を使います。

設定ファイルにこういった修正を加えた場合、次にMRTGを立ち上げた時には 以下のようなことが起こります。

  1. MRTGは全ての.logファイルを.rrdフォーマットに変換します (この処理中、.logファイルに手を加えられることはありませんので、 処理がうまくいかなくてもそのままの状態で残っています)。
  2. MRTGは、rrdtoolを使ってデータベースを更新します。そしてこれらは新しい rrdと呼ばれるフォーマットになり、もともとのMRTGのフォーマットである logとは全く異なるものになります。
  3. MRTGは、もはやグラフはまったく作りません。 ルータにクエリを投げてrrdデータベースを更新するだけになります。

良いことはといえばMRTGがかなり速くなることでしょう。 実行時間は以前の20%くらいにまでなるでしょう(これに関しては大規模なところで 使っている人がいれば、是非どうなるか教えてください)。

なお、RRDtoolのロギング処理はとても速いのですが、 グラフを作ったりWebページを更新したりするのをやめることによって、 さらに時間を稼ぐことができます。 その根底にある考え方は、グラフやWebページはCGIを使ってオン・デマンドで 作ったほうが効率が良いというものです。

今のところそういったことをするオフィシャルなスクリプトはありませんが、 2人の方がそういったものを作っています。

  1. 14all.cgi

    これはWebページの生成やグラフ関係の処理を肩代わりする最初のプログラムです。 <rainer.bawidamann@web.de>によって 開発されました。彼のWebサイト

    http://my14all.sourceforge.net/
    

    から取得することができるでしょう。プログラムにはドキュメントも付属しています。

    routers.cgi、servers.cgi及びgeneric.cgi
    これらはMRTGをRRDtoolとともに使うための別のフロントエンドです。 14allとの主な違いは、生成されるWebページがMRTGが作るものに比べて かなりスタイリッシュだということです。これらのツールはSteve Shipway <steve.shipway@adsweu.com>によって開発されており、

     http://www.cheshire.demon.co.uk/pub/
    

    からインストールの手引きとともに入手することができます。

mrtg-rrd

mrtg-rrdスクリプトはJan ``Yenya'' KasprrzakによるCGI/FastCGIアプリケーションで RRDtoolフォーマットのデータからMRTGグラフを表示します。これは14all.cgiの代わりになるものです。 MRTGが5分毎にPNGファイルのグラフを生成する必要がないので、監視システムを高速にすることが可能です。 その代わり、グラフはユーザーが見たい時にオンデマンドで生成されます。

 http://www.fi.muni.cz/~kas/mrtg-rrd/


将来

ここだけの話ですが、MRTG-3は完全にRRDtoolベースにしようと思っています。 しかし、それまで待つ必要はないのです。今すぐにでも試してみてください!


著者

Tobias Oetiker <oetiker@ee.ethz.ch>


日本語訳

花井 浩之 <ej2@mrtg.jp>